おじいちゃんの蔵

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 おじいちゃんが残してくれた蔵に入ると、長い事、埋もれていたのに、

 そのままタイムスリップをしたような感覚です。

 ホント、今にもおじいちゃんがヒョコっと表れてくるような気がします。

 そんなおじいちゃんの事、つれづれなるままに思い出を書かせていただきますね。

 とりとめのないお話ですが、ちょっとだけおつきあいください。


私の大好きなじいちゃん、尊敬してやまないじいちゃんのこと

おじいちゃん四方山話 壱話

私のじいちゃん、高橋軍蔵さんは明治40年1月21日に宮城県柴田郡大河原町大谷の小さな貧しい農家の次男に生まれました。8人兄弟で一番下の弟が自分の息子、私の父と同級生です。なんじゃこら~(笑)、でも昔はこんなことはよくあることだったそうです。 想像できますか?ばあちゃんのお腹に父がいます。じいちゃんのお母さんの中にあんちゃんがいるのです。すごいですね、同じ年のおじとおいこです。仲良く学校に通ったのでしょう。 昔は兄弟が多かったらびっくりです。じいちゃんも8人の子供をもうけました。一番末のおんちゃんは私と8つ違いで兄弟でもおかしくない年ですよ! 本当にじいちゃんがもう一人子供を作っていたら、私と同級生だったりして…(笑) 私はきっといやだったろうな。 じいちゃんは農家は嫌だと尋常小学校を出て生糸の仕事の丁稚さんになりました。じいちゃんの話によると9才か10才で働いたそうです。 昔私が見た野麦峠の様な機織工場だったのでしょう。頭をまるめた9才か10才くらいの少年が空いたかごを持ってばたばた走り回って次々と繭を入れていくのを思い出します 。

私はじいちゃんの初孫です。本当に目の中に入れても痛くないというほど可愛がられました。私が物心ついたころには私は父と母とは住まいが別で、じいちゃんの住む本宅で、3つのお布団を敷いてじいちゃんとばあちゃんの間に寝ていました。 私の両親はまだ当時のお店は借家だったので、店の裏部屋が父と母の生活の場でした。確か三畳間か四畳間くらいで、押入れもなく、端に布団をたたんで大きな風呂敷をかけて、小さな卓袱台があり、妹たちは父母とそこでご飯を食べて寝ていました。 私は本宅でじいちゃんと寝て、本宅でご飯を食べてお風呂に入って…本当は父母といたかった記憶があります。 父と母の部屋のたたんだ布団から風呂敷をマントにして飛び降りてぐしゃぐしゃにしたり、3人でありったけの風呂敷を紐で巻いてお姫様ごっこをしてよく遊びました…夕方母が疲れて、片づけをしてからご飯の用意をするので、いつも叱られますが、私は調子が悪くなるとすぐじいちゃんの家へ逃げ帰り、悠々とご飯を食べて寝ていました。妹達はいつまでも叱られ、布団と風呂敷を泣きながら片付け、怒られたと今は言います(本当かどうかはわかりませんが(笑) 。

昔じいちゃんは洋品になってから仕入れに福島によく行きました。私も3才くらいになると一緒に連れて行ってもらいました。 母はじいちゃんに仕入れに行くと言われると、いつも新しい服を私に用意してくれました。靴もバックも当時の写真を見ると…私は可愛い…。 汽車で福島まで行くと、駅には問屋の社長さんが車のドアを開けて待っていてくれました。じいちゃんとばあちゃんと私、いつも3人一緒に行きましたが、仕入れはじいちゃん一人で、私は社長さんの自宅で当時食べたことないプリンのようなお菓子を食べさせていただいたり、クーラーなんて見たことのない時代にクーラーの風にあたってみたり、色々な物を見ました。冷たい水が出てくるクーラーでした。氷でも入っていたのかな。 とにかく小さい頃早々と良い暮らしをしている人もいるものだなぁと思っていました。ここの子供になりたいなーなんて思ったことも1回か2回はあったと思います…バチあたりな私です 。



仕入れの後、夜は必ず飯坂温泉に泊めていただくことになっていたようです。昔の良き時代の飯坂温泉です。華やかなりし時のキラキラした時代でした。 じいちゃんのお酒の席は楽しいお酒で、芸者さんが踊りを踊ったり、じいちゃんも踊ったり、歌ったり。今のようにカラオケなどない時代にじいちゃんの声はとっても良い声でのびのびと歌っていました。私も小さいながらも大人と同じ一人前のお膳をそろえていただきました。でも子供だからすぐ飽きて動きたくなるんですよね。 昔の飯坂は夜でもお土産屋さんが坂沿いに一直線に並んでいて、、旅館の番頭さんをお供につけて、下駄をカタカタ鳴らしながら一軒一軒見て回って、舞妓さんの印刷してあるタオルなんかと、飯坂の柄の入ってあるガラスの玉で逆さにするとキラキラするものとかを買いました。お金は持ってきてないので、きっと番頭さんが社長さんからでも預かってきたのでしょうか…今は自分の財布と格闘です(笑)    つづく

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